猫がよく吐くのは毛球症のサイン？症状・治療・予防まとめ

猫が毛玉を吐くのは当たり前、そう思っていませんか？

実はその毛玉、放っておくと命に関わる病気「毛球症」になることがあります。

「最近、よく吐くな」「元気がないかも」と感じたら要注意。

ここでは、毛球症の見逃しがちな症状や危険サイン、予防法をわかりやすく解説します。

愛猫の健康を守るために、今すぐ知っておきたい大切なことをお伝えします。

毛球症とは？

猫の毛球症は、単なる「毛玉」では片付けられない病気です。

毛づくろいで飲み込んだ毛が体内でうまく排出されず、胃や腸で固まることで消化不良や腸閉塞を引き起こすことがあります。

放置すると深刻な健康被害を招くこともあるため、早期の理解が大切です。

毛玉と毛球症の違い

毛玉と毛球症は混同されがちですが、実は大きな違いがあります。

毛球症は自然に治ることは少なく、治療が必要になる場合が多い点がポイントです。

毛球症の原因とは？

毛球症は、猫の体質や環境、生活習慣が複雑に絡み合って発症します。

そのため、原因を正しく理解することで、予防にも大きな効果が期待できます。

過剰な毛づくろい（グルーミング）

猫は本能的に毛づくろいをしますが、過剰なグルーミングは注意が必要です。

• ストレス：引っ越しや新しい家族の登場など、環境の変化が原因でグルーミングが増えることがあります。
• 皮膚トラブル：ノミ・ダニ、アレルギーによるかゆみで毛づくろいが過剰になることも。

過剰なグルーミングのチェックポイント

• 一日中毛づくろいをしている
• 毛が薄くなっている部分がある
• かゆがる仕草が多い

毛の多さや季節的な要因

特に長毛種や換毛期（春・秋）は毛球症のリスクが高まります。

• **長毛種（例：ペルシャ、メインクーン）**は毛の密度が高く、毛玉ができやすい。
• 換毛期には大量の被毛が抜け落ちるため、飲み込む毛の量が増加します。

消化器官の機能低下

加齢や病気によって腸の動きが鈍くなると、毛玉の自然排出が難しくなります。

• 高齢猫：腸の働きが弱まり、毛玉が蓄積しやすい
• 消化器疾患：便秘や腸閉塞の既往がある場合もリスク要因

毛球症の主な症状とチェックポイント

毛球症は、進行するまで気づきにくいことが多い病気です。

しかし、以下の症状が現れたら注意が必要です。

嘔吐（毛玉や液体）

• 頻繁な嘔吐：1日に何度も吐く場合は危険信号
• 吐いた内容物：毛玉や透明な液体、未消化の食べ物

食欲不振と体重減少

食べ物への興味を失う、または少量しか食べない場合、毛球が消化管を塞いでいる可能性があります。

便秘または下痢

• 便秘：毛玉が腸に詰まることで排便が困難に
• 下痢：部分的な閉塞で水分だけが通過する場合もある

腹部の張りや痛み

お腹が膨らんでいる、触ると痛がる場合は緊急の受診が必要です。

症状別 緊急度チェックリスト

毛球症の診断方法

「いつも通りの毛づくろいをしているだけ」と思っていたら、実は体の中で毛玉が大きなトラブルを引き起こしていることがあります。

毛球症は見た目ではわかりづらい病気だからこそ、早期発見が重要です。

動物病院に行くと、診察は大きく3つのステップで進みます。

初めての方でもイメージしやすいよう、診察室でのやり取りを想像してみてください。

問診：愛猫の変化を伝えることが大切

「最近、いつから調子が悪いですか？」

「食欲はありますか？どんなものを食べていますか？」

獣医師はまず飼い主さんから、猫の日常について詳しく話を聞きます。

このとき、吐いた頻度や食欲の変化、トイレの様子などを伝えると、診断のヒントになります。

身体検査：触って、聞いて、全身をチェック

お腹をやさしく触りながら、腫れや硬さ、痛がる様子がないかを確認します。

また、聴診器でお腹の音を聞き、腸の動きが正常かどうかもチェック。

猫は緊張して普段と違う反応をすることもあるので、獣医師は慎重に観察を進めます。

画像診断：見えない部分を「見える化」する

• レントゲン検査：胃や腸の中に毛球が溜まっている場合、影として確認できます。腸閉塞の兆候がある場合もわかります。
• エコー（超音波）検査：腸の動きや毛球の状態、腸壁の厚さをリアルタイムで観察できます。
• 内視鏡検査：胃の中にある毛球なら、内視鏡で直接取り除ける場合もあります。

毛球症の治療方法と費用

毛球症と診断された後、どのような治療が行われるかは症状の進行度によって異なります。

ここでは、実際にどんな治療法があるのかを具体的にご紹介します。

軽度の場合：お薬で自然排出を促す

もし毛球が小さく、腸閉塞の危険がない場合は、投薬治療で自然排出を促す方法が選ばれます。

このとき使われるのが、「毛球除去剤」や「潤滑剤」です。

これらは腸の中を滑らかにし、毛玉を便と一緒に排出しやすくしてくれます。

• 費用の目安：5,000円〜10,000円程度

診察料と薬代を含めても比較的負担が少なく済むことが多いです。

中程度の場合：内視鏡で直接取り除く

毛球が大きく、薬での排出が難しい場合は、内視鏡での治療が検討されます。

全身麻酔が必要ですが、開腹手術に比べると体への負担は少なく、回復も早いのがメリットです。

• 費用の目安：30,000円〜50,000円程度

麻酔や内視鏡の使用、術後のケアによって費用が変わります。

重度の場合：外科手術で命を守る

腸閉塞や腹膜炎のリスクが高い場合は、開腹手術が必要です。

毛球が腸を完全に塞いでいると、血流が悪くなり、壊死を起こす危険もあります。

手術後は入院や点滴治療が必要となるため、時間と費用がかかります。

• 費用の目安：50,000円〜200,000円程度

毛球症の予防方法

毛球症は、日々のちょっとしたケアで予防できる病気です。

特別なことをする必要はありませんが、猫の性格や生活環境に合わせた対策が大切です。

ブラッシング：毛球症予防の基本

猫の毛球症予防で最も効果的なのが、定期的なブラッシングです。

• 長毛種の場合：毎日ブラッシングが理想。特に換毛期は念入りに。
• 短毛種の場合：週2〜3回でも十分効果あり。

ブラッシングは毛の除去だけでなく、皮膚の健康チェックにも役立ちます。

「最近、フケが多い」「しこりがある」など、病気の早期発見にもつながります。

フードやサプリメントで内側からケア

最近では、毛球対策用のキャットフードも多く販売されています。

• 高繊維質フード：飲み込んだ毛を便と一緒に排出しやすくする
• 潤滑サプリメント：腸の動きをサポートし、毛玉の排出を促進

「食べムラがある子」「偏食気味の子」には、ウェットフードに混ぜてあげる工夫も効果的です。

ストレス管理も重要な予防策

意外と見落とされがちですが、猫のストレスも毛球症のリスク要因です。

ストレスで過剰なグルーミングをすることで、必要以上に毛を飲み込んでしまうことがあります。

• 環境の安定：引っ越しや模様替えは猫にとって大きなストレス。少しずつ慣れさせましょう。
• 遊びで発散：おもちゃやキャットタワーで適度に運動させることで、精神的な安定にもつながります。

まとめ

猫の毛球症は、いつもの「毛玉吐き」と見過ごされがちですが、放置すると深刻な病気に進行することもあります。

大切なのは、日常のちょっとした変化に気づくことと、早めの対処です。

定期的なブラッシングや適切な食事、ストレスケアで予防できることも多く、飼い主の気配りが何よりの治療となります。

「いつもと違うかも」と感じたら、すぐに動物病院で相談することが大切です。

愛猫が元気で過ごせるように、今日からできるケアを始めてみましょう。

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