「うちの猫は最近病気がちなので薬を飲ませよう」や「うちの猫は薬を嫌がって飲んでくれない」と思っている飼い主の方が多く、薬を上手に飲ませられない方が多いです。
人間でも薬は飲みたくない人はいますよね。
猫も同じで、無理やり薬を飲ませても嫌がるだけで、それでも強要し続ければ、薬を見ると逃げてしまうなんてことになってしまいます。
この記事では、多くの飼い主さんが苦労する「猫への薬の飲ませ方」をご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
※この記事は猫専門の獣医である山本 宗伸先生のサイトを参考に解説しています。
薬の種類とメリット・デメリット
犬や猫にも人間と同じく「錠剤」・「カプセル」・「液体」・「粉」の4種類の薬があります。それぞれ、メリット・デメリットがあります。
メリット | デメリット | |
錠剤 | ・正確なくすりの量の把握 ・短時間でのくすりの投与が可能 |
・あとで吐き出す可能性がある ・かまれる可能性がある |
カプセル | ・まずい薬でも味を隠すことができる | ・口の中に張り付くので、飲ませ方が難しい ・カプセルをかんでしまうとまずい薬が出て飲まなくなる可能性 |
液体 | ・くすりの量の調節が可能 ・液体に味が付いている場合に飲ませやすい |
・途中でこぼしてしまうと量が分からなくなる ・液体のくすりが限られている |
粉 | ・水に溶かして飲ませられる ・ごはんに混ぜて食べられる |
・味がばれやすく、飲まなくなる可能性 ・途中でこぼしてしまうと量が分からなくなる |
メリット・デメリットはありますが、錠剤を飲んだフリするのが上手い猫であれば、粉薬、粉薬だと泡がとまらない猫であれば錠剤へ変更したほうがいいようです。
特にどちらでも大丈夫であれば、正確な量が投与できる錠剤をおすすめします。
薬の種類別、飲ませ方と注意点
それでは、猫に薬を飲んでもらうにはどうしたら良いのでしょうか。
猫の性格にもよると思いますが、頭を押さえつけられるのが嫌で暴れてしまうようであれば家族に手伝ってもらい、バスタオルやネットに包んで顔だけだしてあげると良いでしょう。
錠剤・カプセル
STEP.1
利き手と反対の手を使って、猫の頭を持ち上に向けます。顎(アゴ)を持つと猫は嫌がりますので、ほお骨をもつと良いでしょう。
STEP.2
自然に口が開くまで上に向くようにしましょう。鼻が75度ぐらいの角度になるように持ちあげてください。
※自然に口が開かない猫もいますので、痛がらない程度で
出典:http://catman.moo.jp/compliance/
STEP.3
利き手の人差し指と親指で薬を持ちながら、中指を歯と歯の間に入れ、口の中が見える程開かせます。
※うちの猫はなかなか口を開けてくれません、難しいです。
出典:http://catman.moo.jp/compliance/
STEP.4
喉の奥(舌の付け根あたり)に薬を落としてあげます。このとき、投げ込むのではなく、ものを落とす感じで行うと良いでしょう。
出典:http://catman.moo.jp/compliance/
STEP.5
口を閉じ上を向かせたまま、薬をゴクッと飲み込むのが分かるまで喉をさすってあげます。
また、錠剤やカプセルは、口の中や食道に張り付き易いので、少量の水を飲ませてあげたほうが良いです。
錠剤・カプセルを飲ませる際の注意点
STEP.4の時、舌の上に置いてしまうと口をモゴモゴさせて上手に吐き出すことがあります。
これを繰り返しているうちに、薬が溶け出してまずいくすりが出て、余計与えにくくなりますので注意が必要です。
液体
STEP.1
注射器に分量分の薬を入れておきます。 100円ショップ等で注射器タイプの注入器も売られています。
先端部分がシリコンで出来ており、歯肉を傷つける可能性が低くなると思いますのでおすすめです。
※購入時に先端部分の確認をお願いします。
STEP.2
聞き手に注射器を持ち、反対の手で猫の頭を持ち固定します。
この時、ほお骨をもつと良いでしょう。
STEP.3
犬歯の後ろに注射器を差し込みましょう。
きっと猫ちゃんは口を開けてくれるでしょう。
無理にこじあけようとすると嫌がります。
嫌がれば薬を飲まなくなってしまうかもしれませんし、歯肉を傷つける可能性もありますので、注意が必要です。
出典:http://catman.moo.jp/compliance/
STEP.4
少しずつ注入しましょう。
途中で嫌がるかもしれませんが、焦らずゆっくりと流し込んでみてください。
飲み終えたら頭をなでたりして、ほめてあげると良いでしょう。
出典:http://catman.moo.jp/compliance/
液体を飲ませる際の注意点
猫の性格にもよると思いますが、頭を押さえつけられるのが嫌で暴れてしまうようであれば家族に手伝ってもらい、バスタオルやネットに包んで顔だけだしてあげると良いでしょう。
粉薬
大好物の缶詰やペーストを使用しましょう。
また、液体で飲むのが好きな猫ちゃんは粉薬を水で溶かして、注射器で飲ませても良いでしょう。
飲ませ方はほとんどが錠剤タイプの飲ませ方と同じです。
ですが注意点がありますので、ご確認ください。
STEP.1
大好物の缶詰やペーストに薬を混ぜ合わせます。
STEP.2
利き手と反対の手を使って、猫の頭を持ち上に向けます。
自然に口が開くまで上に向くようにしましょう。鼻が75度ぐらいの角度になるように持ちあげてください。
STEP.3
利き手の人差し指と親指で薬を混ぜ込んだご飯を持ちます。
STEP.4
中指を使って口を開けさせ、上あごの辺りに、混ぜ込んだご飯を付けてあげます。
口を閉じるとモゴモゴと食べると思います。
粉薬を飲ませる際の注意点
薬を混ぜ込んだご飯の量が多いとお腹いっぱいになって食べきれない場合があるので気を付けてください。
また、錠剤を潰したり、カプセルの中身を出してこのやり方で与えている人もいるようですが、薬の種類によっては、吸収速度を保つ為に錠剤やカプセルにしているのもある為、このやり方をやる場合は、必ずかかりつけの獣医さんに相談するようにしてください。
まとめ
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
いかがでしたでしょうか。
どの薬の場合でも飲んだ後は必ず褒めて上げたり、おやつをあげたりしてあげてください。
薬は嫌なイメージしかないと思うので、「薬を飲めば褒めてもらえる。」「薬を飲めばおやつが貰える。」といった良いイメージを植えつけることが大切です。
中には、薬を飲むと泡を吹いたり、よだれをたらしたりする猫もいますが、その場合、かかりつけの獣医さんに相談して薬の種類を変えることをおすすめします。